イチゴは水分、乾燥、衝撃に弱いデリケートな果実です。そのことを踏まえたうえで、オススメの保存方法を紹介させていただきます。
@イチゴをパックから出す
Aヘタを取らない
B洗わない
Cヘタを下向きにする
Dイチゴ同士を密着させない
Eラップをする
買ってきたイチゴはパックに入っているかと思いますが、パックのまま保存することはオススメできません。パックのままですとイチゴ同士が密着しているため密着部分にかかる負荷が傷みの原因となる可能性があります。Bの洗わないという項目を意外に思われる方が多いようですが、前述したようにイチゴは水分にも弱い果実なので、何もせずそのまま保存するのが一番です。条件にもよりますが、常温ですと夏で1日、冬で2〜3日が目安です。冷蔵庫の場合は5〜7日が目安で、野菜室の方がやや持ちがいいかな?という感覚でしたが科学的データはありません。最後に、皆さまのご購入されるイチゴは、ほとんどが追熟されたものとなりますので、可能であればご購入された日に召し上がっていただくのが最も美味しいイチゴかと思います。
イチゴの表面ある小さなつぶつぶがイチゴの種だと思われている方がとても多いようですが、実は、このつぶつぶの一つ一つが果実なのです。種はこの小さなつぶつぶの更にその中にあるため、つぶつぶが種と言っても全くの間違いではないのかもしれません。では、実のようにみえるイチゴ本体は果実ではなく何なのか?ということになってきますが、この赤い本体部分は「花托(かたく)」と言われる花の根元(茎)が肥大化したものです。このような状態は「偽果(ぎか)」と呼ばれ、リンゴや梨も偽果の仲間となります。
イチゴ狩りに行った経験のある方はご存知かと思いますが、イチゴは草本性の植物となるため果物ではなく「野菜」ということになります。(植物学上の分類はバラ目、バラ科)農林水産省の分類でも「果実的野菜」に分類しています。イチゴと同様にメロンやスイカも「野菜」ということになるのです。樹に果実が実るものが果物、それ以外が野菜、または、種が食べられるものが野菜、食べられないものは果物というような分け方もあり定義は曖昧です。とどのつまり、我々生産者としてはイチゴが野菜であろうと果物であろうと皆さまに美味しく召し上がっていただければイチゴが何者でも一向に構いません。
イチゴの歴史は古く、石器時代には既に食されていたと考えられています。平安時代の文献にはイチゴの登場が確認されていますので、どちらにしてもそれ歴史はかなり古いものとなります。とは言え当時は栽培のイチゴではなく野生のイチゴでした。栽培は18世紀のオランダがルーツと言われ、日本では江戸時代末期にオランダから長崎に伝えられたのが本格的な栽培の始まりと言われています。